- ストーリー
寄り添う気持ちがお互いを育む糧となる。家庭も、仕事も、課題感を持って向き合える環境
大学進学、就職で一度は地元を離れるも、生まれ育った愛媛県西条市に戻ってきた横畑 慧。Uターンのきっかけや愛媛での暮らし、そして住友重機械イオンテクノロジー株式会社(以下、SMIT)に入社してから取り組んでいるDX推進について語ります。
将来を見据えたライフプランのため、生まれ育った愛媛へUターン
高校卒業まで愛媛県西条市で生まれ育ちました。西条市内に大学はないので、進学する際一度は西条市を離れることになります。親元を離れて自立したいという気持ちもあり、県外の機械系学部の大学進学を希望していました。一応、県内や四国の大学も視野には入れていましたが、四国から出てみたいということもあり、愛媛にも帰りやすい関西圏の大学を目指していました。無事、同志社大学理工学部に合格することができ、京都で学業やサークル、バイトと忙しくも楽しいキャンパスライフを過ごしました。
その後、就職活動が始まっても、愛媛には希望する業界や職種が少なく、選択肢が絞られてしまうため、愛媛への就職は考えていませんでした。新卒で東京に本社がある会社に入社し、最初に配属されたのは、広島県でした(笑)。しばらくして転職し、兵庫県で社会人生活を送りました。社会人になっても、大学時代の友人や職場の先輩方とのつながりは続き、仕事後や休日にも遊びにいくなど一人暮らしの生活を満喫していましたが、出張先で妻と出会い、1年間の遠距離恋愛の末に結婚しました。
Uターンの1番のきっかけは、結婚したことによるライフスタイルの変化です。夫婦ともに実家から離れた場所で二人暮らしをしていく中で、子どもが増える生活を考えることができませんでした。
当時は、仕事に追われる日々で、夫婦の時間がまったく取れていなかったんです。一人だと仕事だけに集中できますが、二人で暮らしていくにはそうはいきませんよね。休日も、寝て起きて、スーパーへ買い物に行って、ご飯を食べるとあっという間に1日が終わってしまっているという感じでした。
そういう事情もあり、Uターンすることを決意したんです。2020年に私の地元である愛媛県西条市に戻り、地元企業のSMITへ入社することになりました。
感謝の気持ちを忘れず、親孝行と妻孝行を。Uターンで近づいた家族の距離感
Uターン先の西条市は住みたい田舎日本一とはいわれていますが、都会に比べると不便なところも多くあります。私自身は18歳まで住んでいたこともあり、都会から離れることに抵抗はありませんでした。買い物はオンラインショップで事足りますし、関西には行こうと思えば、旅行がてら行くことができるので気にしていませんでした。愛媛は新幹線がなく、旅行のアクセスが悪いと感じることもありますが、飛行機に乗れるチャンスができたと思うようにしています。
また、地元に帰ってくるまで親孝行ができていなかったので、週末には一緒にご飯を食べにいったり、イベント時にはプレゼントを贈ったり、近くで過ごせるようになったので両親もとても喜んでくれています。最初は心配していた妻と両親との関係も良好で、一安心しています。
お互い転職して、生活が大きく変わってしまったのに、愛媛についてきてくれた妻にはとても感謝しています。愛媛には旅行で訪れることはあっても実際に住むとなると別なので、まずは理解してもらうことからのスタートでした。ショッピング好きな妻にとって、好きなお店がない愛媛ではストレスも溜まってしまうので、休日は西条市や新居浜市のオシャレなカフェに行ったり、ショッピングをしたりして気晴らしができるようにしています。転職したことで、通勤時間が減ったので、平日にも休日にも時間のゆとりができ、ワークライフバランスがとれています。今は、妻に愛媛の魅力を感じてもらい、楽しんでもらうことが家庭における1番の仕事です(笑)。
製造×ITが強み。優しい人たちに囲まれ、全国・世界で仕事ができる環境
SMITに入社した理由は、前職でフラットパネルディスプレイ(液晶ガラス)の検査機の開発をしていた経験を活かして、作っているものは違うけれど、クリーンルームで何かを作るというところは同じなので、似通った業種、業界で活躍できるのではないかと思ったからです。
2022年10月現在は、カスタマーサポート部に所属しています。カスタマーサポート部とは、イオン注入装置を購入してもらったお客様からの問い合わせ等に対応する部署です。イオン注入装置は耐用年数が長いため、定期的なアフターメンテナンスやお客様の事業に合わせた改造が必要になるため、お客様と長くお付き合いをしていくことになります。
今は、たくさんあるIT系の業務の中でもDX推進に力を入れています。もともとここまでITの仕事をするとは思っていなかったのですが、前職での検査機のソフト開発にITの要素がだいぶ入っていたことから、多少はプログラムもかけるので、製造とITがマッチして、今の仕事になっています。
SMITに入社して思ったのは、人が優しいことです。良い意味でも悪い意味でもスローライフな人が多いです。もちろん全員がそうではないですが、プレッシャーを感じず、自分のペースで仕事ができるのは良いですね。
また、トップダウンの経営だけではなく、中途社員が多いのでボトムアップの体制が整っていることも魅力のひとつです。やっぱり実際の業務をしているのは現場の社員ですから、課題感を持っている人の意見を上司が聞き流さず、真剣に聞いてくれるのはありがたいです。
SMITは地域に密着した会社ではありますが、愛媛にだけいて、外の世界に触れられないわけではありません。入社してある程度経つと、「勉強しに行っておいで」と、海外出張に行かせてもらえたりもします。韓国、台湾、中国には海外現地法人があり、今年の11月にはアメリカにもできる予定で、海外出張や海外駐在のチャンスも多くあります。海外で仕事をしたい!という人にもオススメです。もちろん国内にもお客様は多くいるので国内出張もありますよ。
お客様に寄り添ったサービスのために自分たちができること──DX推進のススメ
私が入社して業務に取り組んでいく中で、SMITは顧客情報の収集や管理が弱いと感じるようになりました。昭和や平成までは開発主体で作ったら売れる、そんな時代でしたが、令和の今はいろんな会社があって、いろんな商品がある。お客様が求めているものを開発、製造していかないと売れない時代です。
長くお客様と付き合い、信頼関係を築くことが重要なカスタマーサポート部が率先して、そこに課題感を持って取り組んでいかなければならないと思い、お客様から得た情報を社内に反映させ、お客様の課題解決になるものを作っていく。そのサイクルを回すことができるシステムの導入について、上司に相談したんです。今までサービス拠点は、それぞれの業務の仕組みや方法が統一されておらず、管理が難しい状況でした。
しかし、そのサービス拠点が情報の見える化によって共通認識を持ち、お客様に向き合うことができる環境が整えば、顧客のニーズを満たし、顧客目線に立ったサービスの提供ができるようになると考えました。継続的に考えると大きい投資になりますが、上司やカスタマーサポート部のメンバーに日々フォローしてもらいながら、システム導入の検討を進めています。
はじめに、カスタマーサポート部が抱えている問題は何かということを深掘りしていき、システムを変えるだけでは問題の解決にはならないことがわかったので、DXにたどりつきました。しかし、システムはあくまでツールなので、入れるだけで売上が上がる、生産性が上がるというわけではありません。まずは社内の仕組みを変えていかないといけないため、1年かけてサービス拠点を回り、ヒアリング、意識改革を行っていきました。既存システムの切り替えには反発も多いですが、その人たちは業務に精通している人ばかりです。時間もかかり難しいですが、じっくりとコミュニケーションを重ね、意識改革、組織改革ができると、カスタマーサポート部が掲げている「顧客に寄り添う」というスローガンに沿った働き方ができるのではないかと思っています。
そしてついにシステムのロールアウトが2023年3月に決まりました。まずはカスタマーサポート部、次に営業部と展開していき、段階的に完成度を上げていく想定です。DXに終わりはないと思っています。私自身、今後も日々自己研鑽を重ねながら、業務に取り組んでいこうと思っています。
SMITは現状のシステムに依存しているところがあり、中途入社組はそこに課題感を抱えている人が多くいると思います。そのような人たちを巻きこんで、今後もDXを進めていきたいですね。